2.電位、 電圧と電界強度

空気中電荷の電気力線

今、図2-1に示すように空気中に+Qの電荷が置かれているとします。その電荷から電気力線が放射状に出ているのは良く見かける図です。電気力線はプラスの電荷から出発してマイナスの電荷に終わります。

電気の基本法則はマクスウェルの法則で、4つ又は5つの式で表されます。直接それらの式全部を使うことが無くとも、現象の理解には役立ちますので、ここへそれらの式を書いておきます。

\begin{align} &\oint\mathbf{D}\cdot\mathbf{n}\ da=\int\rho\ dV \tag{2-1} \\ &\oint\mathbf{B}\cdot\mathbf{n}\ da=0 \tag{2-2} \\ &\oint\mathbf{E}\cdot d\mathbf{l}=-\frac{d}{dt}\int\mathbf{B}\cdot\mathbf{n}\ da\tag{2-3} \\ &\oint\mathbf{H}\cdot d\mathbf{l}=\int\mathbf{J}\cdot\mathbf{n}\ da+\frac{d}{dt}\int\mathbf{D}\cdot\mathbf{n}\ da\tag{2-4} \\ &\oint\mathbf{J}\cdot\mathbf{n}\ da+\frac{d}{dt}\int\rho\ dV=0 \tag{2-5} \end{align} 但し、\(\mathbf{D}\):電束密度、\(\mathbf{B}\):磁束密度、\(\mathbf{E}\):電界強度、\(\mathbf{H}\):磁界強度、\(\rho\):電荷密度、\(\mathbf{J}\):電流密度、\(\mathbf{n}\):単位ベクトル

空気中電荷の電気力線

この( 2-1 )式はガウスの法則とも呼ばれるものですが、電荷と電気力線の関係を表すものです。今、図2-2のように半径Rの球でこの電荷を囲んだとします。そうするとその球の表面から出て行く「電束」はその中に含まれている電荷に等しいというものです。電束と言う言葉はあまりなじみが無いかもしれませんが、磁束と対比して考えられると理解できると思います。

空気中電荷の電気力線

電束と電気力線は同じようなものと考えてもらうとして、電気力線はプラスの電荷から出発してマイナスの電荷に終わります。図2-3に示すような2枚の金属平板を距離dだけ離して平行に置かれている場合、上側の板、即ち上部電極にはプラスの電荷がたまり、下側の板、即ち下部電極にはマイナスの電荷が溜まります。電極の面積に比べて電極間距離が小さければ、電気力線は上部電極から下部電極へ垂直に向いています。この様に電気力線が一様な状態を平等電界と称していて、その時の電界強度は次の式で表されます。

\[ E=\frac{V}{d}\tag{2-6} \]

一般の場合の電圧と電界強度の関係はこの様な簡単な式で表すことは出来ないのですが、とりあえず電圧、即ち電位差と電界強度にはこんな関係があります。


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